近ごろは手書きといってもスケジュールメモぐらいで、原稿執筆もパソコンワープロばかりだが、万年筆を眺めるうちに、「手書きもいいなあ・・・」と思うようになった。
確かに二十数年前を思い返せば、卒論は手書きで原稿用紙に執筆したが、当時は貧乏学生なので万年筆は使用せず、大学生協で1本100円で売られていた水性ボールペンを使用したと思う。
「これは、かっこいいかも知れない。」「万年筆は粋な大人のアイテム」と、無性に万年筆を使ってみたくなった。されば「思い立ったが吉日!」と、早速に原稿用紙を用意して、万年筆にインクカートリッジを装填したが、「・・・・・・」。和机の前で姿勢良く正座しても、手がさっぱり動かない。
当たり前のことだが、書くことが無いのである。原稿の提出はEメール、ホームページの更新はWebソフト、業務用文書の作成はパソコン必須であるから、あらためて原稿用紙を用意しても、「・・・・・・」である。
結局、ホームページの更新内容の下書きを万年筆で原稿用紙に書いて、それをWebソフトに打ち直す次第となった。何だか「トホホ・・・」な結果ではあるが、ブルーブラックのインクが紙の上を流れる雰囲気は味わえた。うーん、自己満足の世界である。
今お読みいただいたこの文章には、そんな大人の笑えるノスタルジーが秘められている。
(当ホームページ管理人 松下師一)